今回は英文履歴書の書類選考をパスするためのコツを伝授します。
もし外資系企業に転職したいと思ったら、英文履歴書が必須。採用されるためには、すべての選考過程を通過しなければなりませんが、書類選考は最初の関門。
ショートリストとして面接に進むには英語の履歴書を首尾よく通過をパスする必要があります。
書類選考をパスするためには心理的なフェーズがあります。この心理状態をフェーズで考えるときに役立つのがマーケティングでいうAIDAの法則です。
自分を商品に見立てたときに「おやっ?」とおもい(Attention)、書かれたことに興味をもち(Interest)、会いたいと思う内容で(Desire)書類選考を通過させる(Action)一連の流れです。
ここでは、英語の履歴書を書く際に考慮すべきAIDAの法則について説明します。
Attention:自分の書いた履歴書が目に留まる
自分の書いた履歴書が目に留まる、とはどういうことでしょうか。
募集を開始すると、様々な経歴を持った求職者が職務経歴書を送ってきます。採用側に立った経験をお話しすると、数十通もの書類を最初から最後まで目を通すのはほぼ不可能に近いので、まず、人事部でスクリーニングして、有力な候補者を絞ったあと、募集している部署に渡されるというのが通常の流れ。
つまり、最初からマネージメントチームがスクリーニングしない限り最低2回選考をパスする必要があります。その中で目に留まるようにするためには、まとまっている履歴書である必要があります。つまりスマートに見せることが第一になります。
まとまりのある英語の経歴書とは
まとまりのある履歴書とは中身で言えば一貫性のある履歴書、見た目で言えば見やすさにも気を配って作成された履歴書になります。
今回お話しするまとまりのある履歴書は、後者。見やすさにも気を配って作成された履歴書についてのお話です。一貫性のある履歴書については別のところでお話しします。
英語の経歴書・職務経歴書には決まったテンプレートがないため、求職者がどのような職務経歴書を作成するかが個性です。
とはいえ、ある程度のフォーマットに従って書くことが無難に第一関門を突破する手段といえます。
紺やグレーのスーツでインタビューすることが決まりではないのにフォーマルスタイルとして認知されていることに近いかもしれません。
きちんとした格好、まとまりのある格好は、好印象になりますが、悪印象にはなりません。
まとまった履歴書は最後まで読まれる確率が高いものですが、読みやすいことも最後まで読んでもらうための条件の一つです。では、どのようなものが読みやすいでしょうか。
- 誤字、脱字のないもの
スペルチェックや文法の誤りは致命的です。必ずスペルチェックを実行しましょう。ネイティブであったもスペルミスは起こりえるからこそ書き上げた文章を校正するのです。スペルミスを無くすということは、最後までケアレスミスを防いで業務をすすめる適性があるかどうかを見られるのです。
- フォーマットされたもの
各セクションがブロックごとに分かれた構成でどこに何が書かれているかを一目で判別できるものであることは重要ですが、それ以外にいきちんとしたルールに沿って書かれたものであるということです。たとえば、フォントのサイズは見出しで何ポイント、本文では何ポイント、アンダーライン、太字、大文字の使い方などが統一されていることが必要です。Be Consistent!です。
オーガナイズされたものは几帳面さも印象付けますし、読みやすくレポートをまとめる能力があるかどうかも問われています。
読みやすさのためのクリアスペースも重視して作成しなければなりません。
- 読みやすいフォントを使用したもの
読みやすいとは読み慣れたと言い換えることもできます。使用するフォントに決まりはありませんが、一般的に目にするフォントを使用するのが無難です。
このあたりの基本的な書き方についてデューク大学のキャリアセンターでまとめた「Resume Tips」に細かく記載されていますので、参考にするとよいでしょう。
また、実績の説明でイタリックを多用するのも考え物です。イタリックは、もともと出典を明示した利する際に使用されることが多い文字タイプ。多用しても効果は限定的です。
Interest:興味を持ってもらう
さて、読みやすいフォーマットについては説明しましたが、より重要なのが興味を持ってもらうことです。
採用者の興味とは
採用者が興味を持つのはどのよう場合でしょうか?
スキルや経験が採用者の思い通りであればまず問題ないでしょう。
しかし、日本人特有の業務に対する考え方に「うちは特殊。」「他社のように単純ではない。」「ほかと全く違う。」など、あらゆる事を難しく考える傾向があります。つまり、簡単に相応しい人材は見つからないだろう、、という目線で応募書類を見るのです。
採用側に興味を持ってもらうには、以前の職務でどれだけ近いことをしてきたか、転職した後、時間をかけずに即戦力として働けるかをを上手に訴求することが重要。自分のスキルや経験がTrarnsferable であり採用側で抱えている問題解決に役立つことを示すことが求められます。
採用側で抱える問題とは
採用側で抱える問題は求人情報にあります。
Job Descriptionにある「Support ○○○」「Ensure/ Responsible ○○○」「Build/ Develop/ Set up ○○○」「Run/ Deliver ○○○」などは、今したいことを意識した意識したワードです。サマリーや職歴を書くときには、「○○○」を可能にする人材であることを訴求してください。
職歴の書き方については「数ある応募者の職務経歴書で優位に立つ5つの秘訣」も参考にしてください
Desire & Action:読んだあと、会いたいと思わせる
さて、一通り目を通してもらった後、その採用担当者がどう思うか。興味を持つ内容になっていたでしょうか。
会いたいと思わせるには、期待できる人材であることを文章から想像させる必要があります。ではどういう人が会いたい思われる人なのでしょうか
high-levelな言葉で表現すると、「貢献できる人材」。
では「貢献できる人材」とはどのような人でしょうか。
採用側の目線で考えると採用者(上司になる人)にも会社にも得になる人材です。
もし自分が採用する側だったら・・・?
自分で処理していた業務の一部でも手伝ってもらえるスキルや経験を有している応募者なら、採用したいと思いませんか?
営業職であれば、営業成績が報酬に直結する外資系企業も数多くあります。採用した部下のパフォーマンスがいいと自然に自分の成績も上がりますね。同じ業界なら新しいコネも活用できるのではないか、外部の新たなアイディアを活用することで新規顧客開拓が進むかもしれない、これが採用側の考えです。
採用側にとっては、生産性が向上し(会社に得)、採用した人の右腕になれる(上司に得)極端な言い方をすれば、採用してくれる上司の給与を上げてくれるスタッフこそが最良の人材なのです。
- 生産性が向上すること
採用状況が増員であれ欠員募集であれ、半年後、1年後には今のメンバーの平均的な業務効率を上回るパフォーマンスが期待できる人材であること。
既存業務においては各メンバーの業務負担が軽減され、今後業務量が増えた時の人件費抑制、新たな事業に取り組む際の社内人員が確保できるなどのメリットがあります。職務経歴書では、自分がチームや部下をリードし会社の収益を伸ばした人材であることを示してください。パフォーマンスがわかる数字(単なる数字ではなく相対的な数字!)を入れることでより明確になります。
- 採用する側(特にその上長)のベネフィットになる人材
外資系の企業はパフォーマンスが重視されます。
業務スタッフ、実際のオペレーションを任されるポジションとして入社する場合は、その上長のスーパーバイザーやチーフ、マネージャーなど、特に中間管理職の幅広い業務の一部を担ってくれる人材を求めており、そのような能力を感じさせるのが得になる人材です。
求人内容では求める人材について細かく示されています。履歴書を作成する側は理想のアバターを意識して作成します。職務経歴書には就業中のポジションで求人内容で課される職責以上の職務を任された経験があれば必ず書くこと。
いかがでしたでしょうか。
英語の履歴書を作成する際もAIDAの法則は役に立つ考え方です。
いかに自分の価値を高め、何十通も届く履歴書から自分に気づいてもらい興味を持ってポテンシャルを買ってもらうか。
一連の書類選考の流れの中で選ばれるために何を意識すべきかを書きました。
自分の作成したレジュメがこの流れになっているか、今すぐ作成した(作成途中の)書類を見直してみてください。そして採用側の目線で履歴書を作成してみてください。
続いてフォーマットについて説明します。
フォーマットについて書かれたWebサイトも多いですが、かなり旧式な書き方を紹介しているウエブサイトもあるようです。間違いではありませんがインパクトを与えることはできません。
書類選考をパスするためにどうすべきか。英語の履歴書に決まったルールはないと言いつつもあまりに突飛な履歴書は敬遠されます。最低守るべきルール、必要な項目とパスする書き方について説明します。