書類選考がなかなか通らない。。。
レベル以上の実力もあるしスキルも十分、英文職務経歴書の書き方を調べてフォーマットを整えているのに、何が足りていないのか?
なかなか面接までこぎつけることができずに歯がゆい思いをしている転職希望者も多いですよね。
英文履歴書や職務経歴書は応募した人が最初に通過するスクリーニングポイント。履歴書にはパワーワードが必要といわれますが、あなたの英文履歴書にはパワーワードが欠けていませんか?
パワーワードとは?
パワーワードは英語ではPower Verbと言われます。
英文履歴書に使用されるパワーワードは業績や成果を際立たせ、要求されるスキルをより輝かせるもの。パワーワードを知り使い方を学ぶことで履歴書は見違えるようにブラッシュアップされ印象に残るレジュメ(職務経歴書)に差し変わります。
日本では、普段英語で業務をしているスタッフでもマネージャー職レベルではまだまだパワーワードを使いこなせる人は少ないのです。
つまり、パワーワードを使いこなすことで採用側により強いインパクトを残すことができ面接に一歩近づくことができるのです。(反対にディレクターなどの上級職は、使えて当たり前。使えないことが致命傷につながります)
多忙な採用担当者、特に通常の業務を回しながらスタッフを採用する立場にある管理職者、中間管理職者にとって一つひとつ確認する時間は限られているため、応募者はいかにして採用担当者を惹きつけ印象付ける履歴書を提出することができるかが勝負。パワーワードはある意味、短時間で候補者を印象付ける要因の一つです。
なぜパワーワードが必要か
英文履歴書でなぜパワーワードが必要か。いくつかの理由があります。キーワードは差別化です。
差別化としてのパワーワード
パワーワードを熟知した人と知らない人では書類審査で大きな差を生むことになります。
特に自分を売り込む最初の手段である履歴書の第一印象でのインパクトが違います。
中間管理職以上のポジションに応募するのであれば、履歴書にパワーワードを使うことはMust。パワーワードがあって初めて他の候補者と同レベルになると思ってください。
外資系への転職で英語をツールとして使うことを想定すれば、語彙力の豊富さと実戦(実際の履歴書という文書)での使い方を知っていることのアピールになりますね。
業界に明るいことを印象付ける
現在はさまざまな業界の求人広告のdescriptionやResponsibilitiesでパワーワードが使用されています。
業界、あるいは、募集するポジションで要求される才能や能力がパワーワードで示されているのであれば、そのワードを抜粋し英文履歴書に使用することで採用側と波長を合わせて訴求することになり、いわば言葉のラポールコミュニケーションを形成します。
ラポールとは、話し方や仕草、心理状態を相手に同調させることで、相手を尊重しながら信頼関係を構築するスキル。書類選考にこのテクニックを役立てるのです。
パワーワードの有効活用方法
英文履歴書は採用プロセスで最初に通過しなければならない関門です。
外資系の求人であっても英語だけで採用が決まるわけではありません。だからこそ面接で実務レベルや取り組み方、成果の信ぴょう性を見るのです。
すぐれたリーダーシップやスキル、業務遂行能力を有する人材は外資系企業でも採用したいと考えますが、履歴書が印象に残らなければ、大多数の応募書類の様に埋もれてしまい、そもそも面接まで他とりつくことができません。
さらに採用側にとっての英語が業務をスムーズに遂行する上でのツールであるならば業務処理スピードを懸念することもあります。
パワーワードで切れのある英文履歴書を提出することは業務開始前に一定レベルの語学力を採用側に示すことになり、書類選考を通過するうえで大きなアドバンテージになるのです。
パワーワードの使い方
パワーワード(Power Words)は、アクションワード(Action Words)ともいわれ、スキルや業績、成果を際立たせ、求人ポジションにおける関連業務の説明では適合性、優位性を表現するワードです。
求人広告を読んだら、まずその広告の中にどのようなパワーワードがあるかをチェックします。
代表的なパワーワード
Managed
例えば、あなたが営業チームのアシスタント業務として顧客対応や書類の整理といった業仕事を任されてるのであれば、Assist や Prepare という言葉を使いがちかもしれません。アシスタントスタッフであっても、責任のある仕事を任されていたのであれば、自信をもってManageという言葉をパワーワードとして使いましょう。
Assisted (Assists)/ Prepared (Prepares)がパワーワードにならないわけではありませんが、使い方次第でその他大勢の履歴書の様に埋もれてしまう典型的なパターンです。
実際に2つの文章を比較してみましょう。
埋もれがちな例文
Assist customers and prospective customers in their buying decisions and prepare the invoices.
この例文は、日々どのような業務を行っているかを説明したものです。
この自己紹介では顧客対応にあたっていたことは説明されていますが、どんな貢献をしたか、チーム内に及ぼした影響、生かされたスキルについて示されておらず、応募者の強みが伝えきれていません。
印象に残る例文
Proven skill in managing customer inquiries that build and sustain the trusted relationships to supported their buying decision while generating accurate and complete invoices in timely manner.
この例文で使われている「manage」「Build」「Generate」がパワフルアクションワード。
印象に残る文は、製品やサービスを購入するために問い合わせてきたカスタマーに対して信頼関係を築き購入決定を後押しするスキルを持ち合わせている点、請求書の発行にも注意を払いミスのない書類をタイムリーに作成するなど、販売に結び付く顧客対応スキルと精度の高い書類作成能力をパワーワードで伝えています。
では、どのようなパワーワードがあるのでしょうか。
他にも英文履歴書に使うことで味気ない履歴書が生き生きするパワーワードがいくつも存在します。
米国アイビーリーグのひとつ、デューク大学(DUKE UNIV.)のStudent Affairsが監修したレジュメの書き方を見てみましょう。
2ページ目に「Improving Your Active Verbs」ということで一般的なワードがパワーワードによってインパクトを与える例が紹介されています。
例えば、一番最初の「Worked」は組織の一員として与えられた作業をこなすイメージですが、「Contributed」になると組織運営に役立つ仕事をしたイメージになります。さらにベストの選択肢「Improved」になると組織運営の強化・改善を担ったと理解できますので、責任ある仕事を実行しているのであれば、improvedが実績をハイライトするにはベストなパワーワードということになります。
ちなみに、1ページ目は、レジュメの書き方について書かれたもの。基本の基本ですが、もう一度今手元にある英文履歴書がデューク大学監修の書き方に沿っているかついでに確認してみましょう。
また、デューク大学の資料にはありませんが、ノースダコタ州立大学(NORTH DAKOTA STATE UNIV.)CAREER AND ADVISING CENTER監修の「Resume Action Verbs」では10のカテゴリー別に一覧になっています。もちろんPower Verbはこれだけにとどまりませんが、これだけのワードがあれば、かなりパワフルな履歴書を作成することができます。
ひとつのカテゴリにあるワード数も厳選されているため、ググってみてどれを使うか迷うより、このリストを参考に作成するのがおすすめです。
例えば、
自分の持つコミュニケーション能力をハイライトするといった場合は、Communication から。
業績や積極的な取り組みについて際立たせる場合はAchievementやManageリストから。
といったように活用できますので、よりパワーアップした履歴書作成に活用してください。
「パワーワード」使用上の注意
これらのパワーワードを使用する際にも注意点があります。
ノースダコタ州立大学でまとめられた各カテゴリにあるパワーワード(Action Verb)であっても一言で実務のすべてをマルっと表現できるパワーワードは意味をなしません。安易に飛びつかず、ワードの持つ奥深さを検討してください。
一例
Coordinate
AdministrativeのリストにはCoordinatedというワードがあります。このcoordinateという言葉は幅広い意味で用いられるためイベントをコーディネートするといった意味でこのワードを使用すると、指示を受けた業務でイベントの手配を実施したイメージになります。イベントの手配のノウハウに力点が置かれます。
Coordinateは、より大きな業務の中の一つとして使われるべきなのです。
CoordinateからExecuteへ
もしイベントの運営で責任ある仕事を任せられていたのであれば、Coordinateはもったいない選択です。
イベント実施にあたり、各ステークホルダーの調整からスケジューリング、当日の運営まで中心的な役割で仕切っていたのであれば、Executeという言葉を使用するほうが業務を的確に表現するワードです(箔も付きますね)。企画から関わり最終的な責任まで負っていたことをよりハイレベルで訴求することができるのです。
パワーワードに根拠となる説明を加え信ぴょう性を高めましょう。
求人にあるパワーワードと同調する
Power Verbを選択する際は、求人内容を確認し、使われている言葉に対応するPower Verbを選択することが重要です。関連するワードを選択することで採用者、応募者それぞれでQualificationの内容に同期が取れ、採用側では業務を理解したうえで応募してきているスタッフであることを認識するのです。レジュメでラポール形成を心掛けましょう。
採用側は、常に積極性があり前向きな姿勢で仕事に取り組む才能ある人材を求めています。
パワーワードはスキルや経験をハイライトし積極性を際立たせて他者と差別化する手段です。