転職する場合は、今では人材派遣サイトや人材紹介サイトを利用する求職者がほとんどだと思いますが、他にも探す方法があります。その一つがソーシャルネットワークです。
SNSはFacebookやインスタグラム、ツイッターなど様々。それぞれ特徴やサービス内容も異なりますが、中でもLinkedInはビジネス版のSNSで、外資系の転職活動でも多くのユーザーが利用しています。このコラムではこれからLinkedInを始める方向けの活用方法だけではなく、既に利用している読者に向けても自分自身のブランディング方法や効果的な活用方法まで1からお伝えします。
LinkedInについて
LinkedInはプロフェッショナルなネットワーク構築には欠かせないSNSです。
まずはLinkedInの概要について説明します。
LinkedIn とは
このブログを書いている時点でLinkedInのホームページを確認すると、全世界では6億9000万人のアクティブメンバーが毎日営業する際の潜在顧客発掘に利用し、同僚や取引先とつながりメンバー同士の交流を深めています。
フォーチュン500カンパニー(Fortune 500)でも95%の会社が人材発掘のソリューションに利用しており2020年の日本でのLinkedInメンバー数は200万人以上いることが報告されています。
この無料で利用できる巨大なソーシャルネットワークを転職活動に利用しない手はありません。
LinkedInが外資系企業転職に利用される理由
では日本で200万人以上のプロフェッショナルが利用するLinkedInをどのように活用するのが良いでしょうか。転職に関わる部分に絞ってその理由を考えると利用する側の思惑は「求職者」「エージェンシー」「企業」三者三様であることがわかります。
2-1. 求職者
LinkedInには営業戦略の一環としてネットワーク構築のために登録している人、より条件の良い会社への転職を目的として登録している人、自分の知見をコンテンツとして情報発信し認知度を上げる人など様々な人たちが登録しています。
いずれのケースでも専門分野における知見がメッセージとして表示されており自分自身をブランディングするツールとして利用している点が共通しています。
2-2. 人材紹介エージェンシー
一方で、人材紹介のスタッフやヘッドハンターも優秀な人材を起業に紹介するために日々LinkedInプロフィールをパトロールして、自社の抱える求人に合った逸材を探しています。
2-3. 企業
企業にとっても採用活動にLinkedInを使うことは求職者のプロファイルをそのまま参照できるだけでなくダイレクトにつながることで採用活動がスピーディーになるメリットもあるのです。
LinkedInは企業側、求職側それぞれがWin-Winの関係になるプラットフォームと言えます。
海外発のLinkedInは英語での求人活動が当たり前の環境であり外資系企業にとっても馴染みのあるソーシャルネットワーク。グローバル意識を持った求職者にとっても順応しやすい環境であり、英語をはじめとする語学力を活かせる外資系転職への近道なのです。
LinkedInの利用方法
では、LinkedInの利用方法を純を追って説明します。
アカウントをオープンし、プロフィールを掲載しましょう。
既にアカウントを登録済みの方も、再度本稿を読んで掲載内容を見直してみてください。
アカウントを開設してすぐにやることは5つあります。
- ポートレート写真とバナーの設置
- プロフィール(About)の記入(アップデート)
- 職歴(Experience)の記入(アップデート)
- 学歴(Education)の記入
- スキルの発信
一つひとつ説明していきます。
3-1. ポートレート写真とバナーの設置
ポートレート写真は、ヘッドハンターや採用担当者がご自身のページにたどり着いてまず最初に目にする部分です。いわば第一印象がこのビジュアルの出来にかかっています。
ポートレート写真は、必ずしもスーツ姿である必要はありません。
とはいえプロ意識が感じられ信頼できる柔らかな表情が好まれます。
またポートレートは自分が主役であることがわかるように、自分にフォーカスしたポートレート写真使用します。
写真はモノクロ、カラーどちらでも構いませんが、特別な理由がない限りカラーがよいでしょう。
数年前にLinkedInのアカウントを作成した人でそのままになっている方は、バナーを作成しアップするようにしましょう。
日本でも要人以外でバナーを活用している人はまだ少数です。
今後は日本のユーザーでもバナーを作成する人が増えてくることが予想されます。だからこそ、今なら他の応募者との差別化が可能なのです。
バナーは趣味などのライフスタイルを反映したものであれば、人となりを伝えるページになります。
プロフェッショナリズムを打ち出す場合は仕事の世界観を表すようなイメージが良いでしょう。すぐに作成する際の参考としてイメージサイズをお伝えします。参考にしてください。以下の通り。
ポートレート: ミニマムサイズで300 (w) x 300 (h) pixels
メインバナー: ミニマムサイズで1128 (w) x 191 (h) pixels
パワポやXD、Canvaなどで作成できますので早めに設定することをお勧めします。
3-2. プロフィール(About)
現在のViewではAboutというタイトルがプロフィールに該当します。
ここはどのように書くべきでしょうか。
この部分は職務経歴書で言うところのプロフィールやサマリーとして書く内容であり後に続く職歴(Experience)を読むきっかけにしなければなりません。
自分の専門知識を生かすことのできる業界の人たちにとって必要な人材であることを印象づけ最初にブランディングするところです。
導入部分としての書き方については「英文履歴書『Summary & Objective』の書き方、最終チェック方法」も参考にしてください。
スペース的に3行までしか表示されない点は要注意。より重要視するポイントは手前に来るように書きます。
4行目以降のメッセージは「…see more」となります。スルーさせずに読んでもらうためにも表示される3行目までにハイライトを記載しましょう。読まずにページを離れてしまうことは最も避けなければなりません。
3-3. 職歴(Experience)
LinkedInに職歴を記入する際は各項目を順番に記入することでシステムがきれいにレイアウトしますので紙の職務経歴書のようにマージンやフォント、スタイルで悩む必要はありません。
最も重要な部分はPop-up BoxのAdd experienceのDescription部分。長々と書かずに、箇条書きで簡潔に書くことを心がけます。職歴の書き方は「書類選考をパスする英文レジュメ『職歴』の3つのポイント」で詳しく解説しています。
大切なのは、どんな業務に携わったかではなく、どんな結果を出したかという点。採用担当者は在籍中に貢献した内容、レベルを知りたがっています。
3-4. 学歴(Education)
Edit EducationのPop-Up Windowに必要事項を記入します。
学生でLinkedInアカウントを解説した場合、Activities and societiesやDescriptionは必ず書きましょう。開示できる活動についてビデオやファイルがあれば、リンクを貼っておくことで、採用担当者は人柄をより深く理解することができ、自社の社風に溶け込める人材かどうかの判断にもなります。
外資系への就職を目指すのであれば、履歴書にはLinkedInのURLを一緒に記載し、職務経歴書より幅広いフィールドをカバーするLinkedInで自分自身をブランディングしましょう
3-5. スキル(Skills and Endorsement)
アカウントを開設し記入する項目を順番に言うと5番目になりますが、この部分は求職活動をするうえで最もキーになる部分です。必ず記入しなければなりません。
LinKedIn内のキーワード検索で適格者のスクリーニングに活用
人材紹介のエージェントはヘッドハントする人材や募集要綱に適合する人材を求め頻繁にLinkedInを活用しています。
エージェントが人材を探すためにキーワード検索をした際、本人がスキル欄に指定したキーワードがあるとエージェントの検索結果リストに表示されます。
このスキル欄をフル活用することでプロフィールの表示回数を増やす効果があり転職する目的で登録している人にとっては特に重要なのです。
全部で50のスキルを掲載することができます。全部使い切りるつもりで作成しましょう。
どんなスキルを掲載すればよいか直ぐに思い浮かばなければ、同じような業界の類似したポジションで活躍している他のLinkedInメンバーがどのようなスキルを掲載しているかを参考にしても良いのではないでしょうか。
Google検索と同じで一般的なスキルであれば、多くの候補者が表示されますが、ユニークな才能や特殊なスキルなら絞られた候補者からの選抜となります。標準的なスキルと一緒にロングテールになるスキルも含めることがLinkedIn上の選考に有効です。
まとめ
LinkedInにアカウントを登録してたった5項目の作業をすることで転職できる確率が格段に広がります。
LinkedInには「Jobs」というナビメニューがあり、外資系をはじめとする企業の求人広告に直接アクセスすることが可能です。外資系の企業が直接応募者とやり取りできる「Share your profile」機能が備わっておりダイレクトにプロフィールページにアクセスすることが可能です。
外資系の転職でも単にエージェンシーに登録して呼び出されるのを待つだけではなく自ら積極的に転職活動をして希望の仕事を見つけましょう。
製品を売り込むためにブランドサイトがあるように自分自身を売り込むためのブランドサイトとして機能するのがLinkedInなのです。